私のルーツのひとつは、滋賀県にあります。
その昔、近江の国には「穴太衆(あのうしゅう)」と呼ばれる
石工集団が存在しました。
「石の声を聴く職人」と呼ばれる彼らの技術は
野積みと呼ばれる比較的原始的な工法を用いるのですが
戦国時代~江戸初期に、日本全国の武将が切望した技法でした。
築城は各地を収める藩主にとって、とても重要なものです。
短期間で強固な城を築かなければ生死にかかわります。
大きくて四角い立派な石積みは、世の中が戦乱から解放され
もう戦がない時代の象徴です。
「穴太衆(あのうしゅう)」は、個々の意志の形を手にし
どの部分に、どの石を配置するのかを「石の声を聴く」と
表現します。
大きな石もあれば、小さな石もあります。平べったい石もあれば、丸っこい石もあります。
そんな個性あふれるバラバラの石を、「穴太衆(あのうしゅう)」の石工たちは巧みに組み合わせることで、強固な石垣を築くのです。石が互いに支えあう形になる技法は適度な隙間も生み出し。雨水の侵入による水圧を巧みに石垣の外へ排出させることで、崩れにくくなるそうです。
これは組織にもいえるかもしれません。
均質的に「金太郎飴」のような人材を求め、教育してきた組織は脆弱です。
個々の違いや特性を認め、相互の良い部分を求め、支えあう組織は強固です。
先日、お邪魔した島根県の松江城(1611年築城)も、現存する天守12城のひとつであり
国宝に指定された名城です。穴太衆積みの石垣で築城されていました。
多様性と包摂性がいかに重要かということを、改めて考えさせられた。
穴太衆と呼ばれる石工集団がいました。穴太衆による石垣は、「石の声を聞け」という口伝に象徴されるように、加工しない自然石を巧穴太衆と呼ばれる石工集団がいました。穴太衆による石垣は、「石の声を聞け」という口伝に象徴されるように、加工しない自然石を巧
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