1960年以降、高度経済成長期における公害の問題や産業廃棄物の増加は、都市部のみ
ならず地方の自治体にも、その影響の影を落とし始めました。
上勝町もまた同じく、人口減少化の中でゴミ処理や廃棄処分の負担がのしかかり
1980年以降になっても「野焼き」という手段に頼り、ごみ処理を続ける毎日であったそうです。やがて税収の落ち込みに伴い、ゴミ収集車が来ない町となりました。
ますます町のゴミ問題は大きな課題となったそうです。
55以上の集落が点在するなかでのごみ収集は大きな負担です。
環境保全に舵を切った日本政府は、次々とゴミ処理に関する規制や法案を成立させました。
ダイオキシンの規制や焼却炉の問題が、町のごみ処理を益々困難にします。
そんな1990年代、上勝町は決断をします。
1995年、上勝町はコンポスト(家庭用生ごみ処理機)の導入を町民に提案します。
補助金を出して、各家庭でゴミ処理を行うことにしたのです。現在では90%以上の世帯で
普及しているそうです。
1997年には、公営の「野焼き場」をゴミ分別場に生まれ変わらせ、新たな「ごみステーション」を建設し、現在では新たに建て替え、モダンでお洒落な廃材を利用したホテルを併設し
町のシンボルへと進化しました。
そして、ここで「ごみゼロ宣言の町」13品目45分別・リサイクル率81%の上勝町が国内外に注目を集めることになったのです。
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